子どもが「死にたい」、「消えたい」と言ったときの対応の基本原則
子どもが「死にたい」、「消えたい」と言ったとき、どう声をかければいい?

― 親として知っておきたい「TALKの原則」
突然、子どもが「死にたい」「消えたい」と言ったら、親としてとても動揺することでしょう。でも、そんなときこそ、子どもの心に寄り添うことがとても大切です。
そのための指針となるのが、「TALK(トーク)の原則」です。これは、子どもの命と心を守るための声かけの適切な対応を示す4つの基本原則というものがあります。「TALK(トーク)の原則」 は、4つの対応の頭文字となっています。
①T:Tell(伝える):心配していることを率直に言葉にする
②A:Ask(尋ねる):死にたい気持ちについて率直に尋ねる
③L:Listen(傾聴する):絶望的な気持ちを聴く
④K:Keep safe(安全を確保する):一人にせず、必要な支援につなげる
「TALKの原則」に沿った声かけは、子どもに安心感と信頼を与えます。
「死にたい・消えたい」と言われたときのTALKの原則の声かけ例
①T(Tell:気持ちを伝える)
「そんなふうに感じてると知って、すごく心配だよ」、「あなたのことを本当に大切に思っているから、気持ちを教えてくれてうれしい」
」
②A(Ask:率直に尋ねる)
「どれくらいつらい? 具体的に教えてもらってもいいかな」、「最近、どんなことでつらいって思ってるの?」
③L(Listen:傾聴する)
「そう感じるのは当たり前だと思うよ」、「話してくれてありがとう。苦しかったよね」
④K(Keep Safe:安全を確保する) 「今日は一緒に過ごそうか」、「今は学校のことは考えなくていいからね」
この対応には、「命の問題かもしれない」という前提と、「話してくれてありがとう」という姿勢がとても重要となります。完璧な言葉がなくても、大切なのは「聞く姿勢」が伝わればいいです。
寄り添うことで子どもは安心し、少しずつ自分の気持ちを語ることができるようになり、孤立感から離れていくようになっていきます。