子育てのバランスを考える〜サイモンズの養育態度〜

2025年11月03日

子育てのバランスを考える〜サイモンズの養育態度から学ぶこと〜

「もっと厳しくすべきだろうか」、「甘やかしすぎているかも」日々の子育ての中で、このような悩みを感じることはありませんか。カウンセリングの現場でも、多くの親御さんが養育態度について葛藤を抱えているケースが多いです。

今日は、米国の心理学者サイモンズが提唱した「4つの養育態度」(子どもの性格と親の態度の関連性)についてふれたいと思います。あなた自身の養育タイプに気付いて子育ての参考にお役立てください。

4つの養育タイプ

サイモンズ先生によると親が育児をする時の態度は、4つに分類されるそうです。

①支配タイプは、厳しく管理し子どもの行動を細かく指示する態度です。子どもの意見を認めず、一方的にルールを押し付けます。その結果、自主性が育たず依存的になったり、親の顔色をうかがったり、強い反抗心を持つようになることがあります。

服従タイプは、子どもの言いなりになり何でも受け入れる態度です。適切なしつけや制限を行わないため、我慢する力や他者への配慮を学ぶ機会を失います。わがままで自己中心的な性格になりやすいのです。

保護タイプ(受容型)は、過保護・過干渉な態度です。失敗や危険を極端に避け、子どもの代わりに何でもやってあげます。愛情からの行動ですが、自立心や問題解決能力が育ちにくく、自信のない子になる可能性があります。

拒否タイプは、子どもへの関心が薄く、愛情表現が少ない態度です。情緒的なサポートが不足し、子どもは「愛されていない」と感じます。情緒不安定や攻撃的な行動につながることがあります。

理想は「民主的で受容的な態度」

サイモンズ先生が伝えたかったのは、極端に偏らないことの大切さです。子どもの意見を尊重しながらも必要なルールはしっかり設け、愛情を示しつつ年齢に応じた責任も教える。このバランスが重要なのです。

完璧な親などいません。時には厳しくしすぎたり、甘やかしすぎることは誰にでもあります。大切なのは、立ち止まって自分の関わり方を振り返り、バランスを意識すること。

もし悩んだときは、一人で抱え込まず周りの人に相談したり、専門家などの意見を聞くのもよいでしょう。「今よりちょっと良くなりたい」というその気持ちこそが、お子さんにとって最高の贈り物なのですから。

補足:複合型のケース! 

親の養育態度は単一のタイプではなく、複数の態度が組み合わさっているケースが多いです。

あなたは、4つの主要な複合型パターンのどれにあてはまりますか?

①【支配+保護】過保護・過干渉パターン

愛情を持ちながらも過度に世話を焼き、子どもの行動を管理・統制する態度です。子どもは自分で考え行動する機会を奪われ、依存心が強くなります。また自己判断の経験が少ないため、集団になじみにくくなる傾向があります。

【保護+服従】溺愛・甘やかしパターン

子どもの要求を無条件に受け入れ、適切なしつけを行わない態度です。常に欲求が満たされる環境で育つため、自己中心的な性格になりやすく、忍耐力が育ちません。思い通りにならないと反抗的な態度を示す傾向があります。

【服従+拒否】放任・ネグレクトパターン

子どもに無関心で適切な関わりを持たず、存在を無視するような態度です。情緒的安定感を得られないため、警戒心が強く神経質な性格になりやすくなります。愛情に飢えながらも傷つくことを恐れる寂しがりな性格になる傾向があります。

【拒否+支配】専制・冷淡パターン

愛情を示さず冷たく接しながらも、厳しく統制し支配しようとする態度です。親の愛情を感じられないまま従うことだけを求められるため、強情で頑固な性格になりやすくなります。この抑圧的な状況から逃れようと、家出や非行などの逃避行動に走る可能性もあります。

サイモンズ先生によりますと理想的な養育態度は、適度な受容と統制のバランスが取れた中心的な位置にあり、子どもの個性を尊重しながら必要な規範やスキルを身につけさせることが重要だそうです。 

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